【“仕事もラグビーも”を選んだ彼女たち】トライのない日にも、“地域の安心”を積み重ねる──女子アスリートの”住まいを支える仕事”
2025-08-22 07:10:02
スポーツだけじゃない。「働く」彼女たちの、ちょっと意外な日常に触れるインタビュー記事第2弾。今回は津久井萌選手の雇用先である株式会社リベストの荒井伸吉代表取締役に話を伺った。
女子ラグビーの横河武蔵野アルテミ・スターズの選手たちは、普段は一般企業に勤務している。アスリート雇用という形で彼女たちを受け入れる企業側には、どのような想いや狙いがあるのか。
3大会連続でワールドカップメンバーに選出された津久井萌選手が務めるのは武蔵野市で不動産業を営む株式会社リベストだ。チームのスポンサーでもある同社の荒井伸吉代表取締役に、アスリートを雇用する理由やメリット、そして今後の展望を伺った。

株式会社リベストにて。荒井伸吉代表取締役
――まずは御社の事業内容をご紹介ください。
「弊社は武蔵野市を拠点に、不動産の賃貸と売買の仲介、賃貸物件の管理を行っています。あとはそれに付随した建築、修繕の仕事も行う会社になります。創業は今年で53年目で、私が26歳の時に始めました。今でこそ少し余裕が出て来ましたけど、53年間、苦労しながらも楽しく、ここまでやってきました」
――他の不動産会社との違いや、御社ならではの強みはありますか。
「サービスに関してはそんなに違いはないとは思いますが、強みは地元密着で信頼をされて情報が豊富なところですね。範囲を拡大せず、武蔵野市を中心に、三鷹、杉並、小金井に密着し街づくりをしながら、この街が良くなれば、うちの会社も良くなるというコンセプトで事業を行ってきました。」
――53年前と比べると、だいぶ街並みも変わってきたのでは?
「本社のある吉祥寺は、今では住みたい街ナンバーワンと言われるようになりましたけど、それは自分たちが作ってきたという自負があります。不動産会社は入居者をある程度選びます。どういう人に買ってもらうかとか、どういう人に住んでもらうかとかやっているわけです。この街の安心・安全を保ってきた部分があると思っています。吉祥寺にほかの中央線の駅よりも、住みたいという人がたくさんいるのは、そういう安心・安全を求めているからだと感じています」

株式会社リベスト本社

――アルテミ・スターズのスポンサーになられたきっかけを教えてください。
「横河電機さんは武蔵野市を代表する会社さんで街としても弊社としても大変お世話になっている会社さんです。その横河電機さんからのお話しなので良い機会だと思い喜んで参加させてもらいました。私自身スポーツ好きということもありますが。」
――女子ラグビーチームを支援する魅力はどこにありますか。
「日本代表が仲間として同じ会社に勤務していると言う事は、他の社員にとっても魅力であり、誇りに思い大きな自信につながっていると思います。」
――元々ラグビーに興味はあったのでしょうか。
「ラグビーは大好きですね。ルールはまだよくわかっていない部分もありますが、激しくぶつかり合うところがいいですね。今は女性も強くなってきていますし、根性もありますからね。うちは女性の社員が結構多いんですよ。6店舗中、3店舗が女性の店長です。女性が活躍する会社なので、そういう意味でも女子ラグビーの支援は合っているのかなと思っています」
――アルテミ・スターズを支援することは、御社の事業内容や企業理念に通じる部分があるわけですね。
「そうですね。ただうちの会社ではスポーツだけではなく、いろんなところで地元で頑張っている人たちを応援しています。コンサートの冠スポンサーをやったり、お祭りやわんぱく相撲にも協力しています。成蹊大学のサッカー部のメインスポンサーにもなっています。『汗を流しながら夢を見る人になろう』っていうのがうちの会社のキャッチコピーなんですよね。スポーツ、文化、芸術といろんな分野で頑張っている人たちを応援しようというのは、我々の会社にとっての重要なテーマとなっています。
そしてそれが街の活性化になり、住みたい街につながれば嬉しいです。」

株式会社リベスト公式サイトより
――アスリート雇用に関しても、そういった想いからですか?
「正直に言えば、こちらからではなく横河さんから提案されたので、受け入れたという形です。ただいろんな条件をすべて聞いたうえで、やってみようと決めました」
――日本代表にも名を連ねるアスリートを雇うことに、不安のようなものはありましたか?
「私自身は全然ないですけど、一緒に働く社員との関係性がどうなるかは未知数な部分もありました。とはいえ、スポンサーしているチームの選手ですし、会社として応援しているのはみんなわかっています。実際に応援している社員もたくさんいますから、問題はありません。あとは彼女の人柄もありますね。一生懸命、仕事に取り組んでいますし、合宿から帰ってきても、疲れた素振りを見せずに頑張っている。そういう姿が、逆に社員の励みにもなっているのではないでしょうか」
――津久井選手は具体的にどういう業務をされているのでしょうか。
「賃貸物件の管理・入居者の管理業務です。入居者の契約の更新をしたり、事務的なことをやってもらっています」
――働きぶりはいかがでしょう?
「優秀ですよ。特に判断力がいいですね。ラグビーでもその判断力を買われている選手だと思うんですが、仕事にもそういう部分が現れていますね。しばらく会社に来ない時期があっても、復帰したらテキパキと業務をこなしていますから。頭もいいし、人当たりもいいので営業をやらせても上手になると思いますよ」
――津久井さんが入社したことによって、社内の雰囲気が変わったり、いい影響が出た部分はありますか。
「日本代表の選手が会社にいるというのは、社員にとってひとつの誇りと自信になっているんじゃないですかね。みんな試合の応援に行っていますし、仲間意識というものは強くあるんじゃないでしょうか」


――アスリート雇用が企業イメージやブランド価値の向上につながる部分はありますか。
「日本代表に選ばれる程に練習をし、頑張っている姿、アスリートとしての礼儀正しさ明るさに、まず社員が誇りと自信を持ってきています。ブランドの価値向上はこれからの課題で考えていきたいと思います。」
――アスリート雇用のメリットはありますか。
「リベストは様々な職種、立場の人たちが働いています。その人たちが汗を流しながら夢を見ています。それぞれの立場を理解し、尊重し、協力し力を出し合うことにより大きな力となり、会社が発展することがメリットだと思います」
――セカンドキャリアの形成にもつながるわけですね。
「本当に会社が好きになってくれて、ずっと働きたいと思ってもらえばいいですね。我々の会社は定年がないんですよ。何十年も勤めている社員がたくさんいますし、働けるのであれば、ずっと働いていい。人とのつながりが大事な仕事なので、長く働いてもらえることは、こちらとしてもありがたいことです」
――スポンサーシップやアスリート雇用が社会貢献やCSR、SDGsにつながっている部分はありますか。
「そんなに大げさには考えてないですけど、先ほども言ったように、スポーツだけではなく、いろんな分野で頑張っている人を応援したいですし、社員に対しても安定して働く環境を与えたい。定年制がないというのも、その想いからなんですよ。勤務時間もかなり自由に設定していますし、産休後に復帰する社員もたくさんいます。今の時代は本当に多種多様な人がいますから、それぞれに合った働き方がある。若い人でも、経験を重ねた人でも、それぞれが働きやすい環境で働いてもらって、長く務めてもらえればいいと思っています」

――今後、アルテミ・スターズとともに展開していきたい活動はありますか。
「まだはっきりしたものはありませんが、女子ラグビーやチームとしての露出が増えることを期待しています。そうなれば、スポンサーになりたいと思う企業が増えるじゃないですか。そういう流れが生まれてくればいいと思いますね。今、武蔵野市には世界に羽ばたく企業が増えてきているんですよね。日本代表選手が7人もいるアルテミ・スターズも世界に羽ばたくチームだと思います。親和性が高いと思いますから、そういう企業を上手く巻き込みながら、チームとして大きくなっていってほしいですね」
――街全体の盛り上がりにもつながりますね。
「武蔵野市は女性に優しい街なんですよ。なぜかと言えば、安心・安全な街だからです。少し前までは市長も警察署長も女性でしたし、銀行やデパートも女性の店長が多いんです。それだけ女性が活躍できる場所なんですよ。だから、女子ラグビーのアルテミ・スターズが、女性が輝く街の象徴のような存在になってくれたらいいですね」
(ライター:原山裕平)
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